適用・拡大が進む「総合評価落札方式」
ここ最近、国土交通省が進める新しい落札方式として、総合評価落札方式の適用が目立っている。同方式は、低品質などの手抜き工事の弊害を防ぎつつ、透明性と競争力を確保して、民間の技術レベルの向上を促し、新しい技術提案にも評価を加え総合的に評価の高い提案をした者を落札者とするもの。公共工事の品質確保、かつ、民間の技術開発を促進させるという観点からも、今後、同方式は拡大が図られるものと思われる。
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多様な入札契約方式・実施件数の推移
※1 ( )内の数字は、総合評価落札方式の案件。
※2 [ ]内の数字は、前年度からの継続案件。
注記
VE方式(入札時、契約時) VE=(Value Engineering) |
機能を下げず、コストを下げる、もしくはコストを上げず、機能を上げる提案を採用する入札方法。 |
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性能規定発注方式 | 出来上がりの結果の性能を規定するだけで、途中のやり方まで規定しない入札方法。 |
設計・施工一括発注方式 | 基本設計から施工方法にいたる事業完結にいたるまでのマネジメントを包括的に民間企業に委託する入札方法。 |
従来の公共工事では、一般的に指名競争入札を採用していたが、平成5年ごろの公共工事をめぐる不祥事の発生などにより、公共事業に対する国民の信頼を著しく損なうようになり、また、国際的な建設市場の開放を背景として、諸外国からわが国建設市場への参入要望の高まりを踏まえ、国際的な視点も加味した透明で客観的かつ競争的なものにすることが不可欠となった。
このため入札、契約制度の透明性、客観性、競争性の大幅な向上を目指し一般競争入札方式や公募型指名競争入札方式が導入された。
これらの一般競争入札方式は、透明性、客観性に優れていた入札方式ではあったが、不良不適格業者の参入を防止しにくく、価格のみの競争である自動落札方式のため、過度な価格競争により低入札業者による手抜き工事の可能性がある事と、民間の技術力を取り入れて活用する事が困難であることなどの指摘がなされた。
民間の技術開発を促進 品質確保、住環境の改善へ
総合評価方式は、利用者や住民の方々に、より一層喜ばれる工事を目指して、発注者が評価する項目を選び民間企業などから技術提案を求め、その内容を価格とともに評価するというのが大きな特徴。
発注者は、工事内容や周辺の状況に応じて、次のような分野の項目を評価する。
- 価格以外の総合的なコストの削減=維持管理費、更新費、補償費など
- 整備する施設の性能・機能の向上=性能の持続性、耐久性、安定性、美観、供用性など
- 社会的要請への対応=環境の維持(騒音・振動・地盤沈下・景観の維持等)、交通の確保、省資源対策、安全対策など
合格した提案の内容は数値化され得点として評価され、この得点と提案された価格を比較した「評価値」を用いることによって、もっともコストパフォーマンスの優れた提案を、技術と価格の両面から客観的に判定し、採用することが出来る。
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舗装工事における走行音低減の評価事例
油圧駆動系ローラの制御システム車両の取り扱いについて
お客様に、SAKAI製の車両をより長く御使用して頂くために、下記のような車両の取り扱いをして頂きたいと思います。
車両の発進・停止
ローラの作業時における通常の発進・停止および高速・低速は、前後進レバーの操作でほとんどが間に合います。
前後進レバーが、前後進時に中立“ニュートラル「N」”の時に戻していくと、ダイナミックブレーキが効き最終的には中立“ニュートラル「N」”で停止します。また、舗装作業時の表面仕上げ作業にも、滑らかな制動が求められているので、通常作業時には緊急時を除きフートを使用せずに、前後進レバーを操作することを心掛けて下さい。
理由として
油圧駆動系で装備しているネガティブブレーキは基本的には駐車時制動と油圧系のトラブルの際の自動制御用であり、日常的にフートブレーキを使用していると、ブレーキディスク自体が摩耗して緊急時に本当に必要な制動が得られなくなることがあり、本来の装備目的と違った結果になることもあります。
酒井の制動システムについて
酒井の制動システムはレバー以外にフートブレーキと駐車ボタンを装備しており、それらは油圧モータに組み込まれたネガティブブレーキと連動されています。
これは酒井が他社に先駆けて取り入れたブレーキシステムで、運転者の多くは日常、自動車を運転しておられ、緊急時、反射的に足がフートブレーキを踏む習慣が出来ていますので、そのため酒井はフートブレーキを標準装備し、作業時の緊急対応に安心を与えています。
また、フートブレーキと前後進レバーを連動させることにより、フートブレーキによる緊急停止時、前後進レバーも中立“ニュートラル「N」”に戻り停止状態になるようにしてあります。もし、フートブレーキと前後進レバーを連動させていなければ、緊急時フートブレーキで危険回避後、安心してフートブレーキから足を離したとたん前後進レバーを戻していないと車両は急発進し、再度危険を招きます。
本来ネガティブブレーキは何らかのアクシデントで油圧が下がり、ローラを制御出来ないときに自動的に制動力が働くブレーキです。
多くは坂道など傾斜がある現場で油圧のトラブルによる暴走を防ぐことが1番の目的です。
このように、本来の安全なブレーキシステムを確保するためにも、通常作業時のフートブレーキの使用を極力抑える運転をし、安全に作業を行ってくださるようお願いします。