平成16年度道路関係予算の概要

先の平成16年度予算の決定を受けて、国土交通省など道路関係予算が決定した。
社会経済の活性化と暮らしの向上を図るため、平成16年度は「成果主義の道路行政」を目指し、既成の枠にとらわれない幅の広いメリハリの利いた施策を展開していく。

  • 平成16年度道路関係予算の概要
  • 重点事項別国費の状況
  • 道路行政マネジメントに用いる17の指標

「成果主義」の道路行政マネジメントの導入や、地方の裁量のもと、より成果の上がる交付金制度への改革等、既存制度の見直しを行いながら、必要な道路を効率的に「つくる」とともに、既存ストックを有効に「使う」ことを徹底し、「活力」「くらし」「安全」「環境」をテーマに、その実現に向かって全力で取り組んでいくことにしている。他の行政分野と連携しながら、幅広い課題に対応した政策を重点的かつ、計画的に進めていく方針。

これらの政策テーマをより透明性を高めながら、効率的・効果的に実施するため、事業・施策の評価結果や、成果等に関する幅広い道路関係情報を国民に積極的に公開していくことも盛り込まれた。

道路整備事業費に5兆1,282億円

平成16年度の道路整備事業費は、道路整備に5兆1,282億円(対前年度比0.08%減)、道路環境整備1兆5,663億円(同前年度並み)の計6兆6,945億円(同0.06%減)を計上、幅広くメリハリの利いた施策を展開していく方針。
また、これを一般道路、有料道路に分けると、一般は4兆8,095億円(同0.04%減)、有料が、1兆8,850億円(同0.06%減)となる。また、財政投融資3兆109億円(0.06%)が予算化されている。

これらを踏まえ、三大都市圏環状道路の整備推進、「有料道路方式」と「直轄方式」の2本立てによる高速道路の整備推進、無電柱化の整備などを推進していくこととしている。

世界の道路事情

アルメニア編<下>

  • アルメニア共和国,

    前回のアルメニア道路事情の続きです。
    今回はより身近な話題から触れてみます。

街中で見かけた車は大半が旧ソ連製で、たまにヨーロッパ製のものを見かける程度です。多くの車はメーターケーブルが切れて走行距離などが分からない状態です。よく故障して路上で修理している光景を目にしました。
自動車がこのような状態ですから、市内でたまに見かける建設機械も、ご多分に漏れず旧ソ連の遺物と思われる超旧型のものしか見かけません。日本の高度成長期以前のようで、機械の多くはオーバーヒートを気にして、エンジンを剥き出しにして使用しているのが印象的でした。

  • 街中の切削工事風景

    街中の切削工事風景

油脂類は慢性的な不足状態/燃料の補給も毎日が交渉戦

そんな状況下のアルメニアで、10月上旬から2週間ほど、エレバン市に納入された切削機の切削施工指導を行ってまいりました。
工事は、現状道路の平坦性が余りにひどいため、レベルを使用し現場の測量から行い、また日本で行われている切削施工と同様に、ポイントごとに切削深さを指示どおり切削することとしました。
しかし、施工するに当たり日本とは違う事情で、戸惑うことがしばしばありました。その一つが燃料の確保です。

油脂類についてはイランからの輸入に頼っているため、慢性的な不足状態にあり、現場で使用する機械やダンプ等もバケツで給油しています。もちろん、切削機(燃料タンク容量700L)に燃料を補給する際にもバケツで何十回も汲み入れて、200Lほど入れたところで、燃料係の爺さんが「今日はこれだけにしてくれ」などと言い出す始末でした。
呆れて「それじゃ仕事にならないからもう少し入れてくれ」と、長い交渉の末、やっと半分程の燃料を入れてもらうことが出来るのです。作業のたびにこの爺さんとの戦いです。仕事以上の疲れを感じました。

  • 行き交う車

    行き交う車も旧型が多い

切削施工が全て終わり、舗装工事になったころには本当に燃料の在庫が無くなり、切削機から残った燃料を抜き取り使用していたほどです。

世界は広いんだ、と実感するとともに、少しでもこの国のためになれたかな?という思いで、帰国の途につきました。

<海外営業部:小高>

国土交通省TS・GPSを追加盛土締固め 施工管理手法

国土交通省はこのほど、「TS(トータルステーション)・GPS(衛生利用即位システム)を用いた盛土の締固め情報化施工管理要領案」をまとめ、各地方整備局に通知した。

  • 管理システムの概念図

盛土の管理手法はこれまで、砂置換法や、RI計法の二つの測定方法が用いられてきた。今回新たに加わったこの測定方法により、

  1. 盛土全面の管理による品質の向上(品質の均一化)
  2. 適用可能な土質条件の拡大(礫を含む岩塊盛土等への適用が可能)
  3. 締固め状況の早期把握による工程短縮(次層盛土の迅速な施工)
  4. 品質管理業務の簡素化・効率化(品質管理時間の短縮)
  5. その他(オペレーターの省技能化、電子納品への対応など)

等の効果が期待できる。
また、要領案では、TS・GPSを用いた盛土の締固めの品質管理基準を新たに設けている。
出来形管理基準は従来と同じ。品質管理基準と試験基準は、表のとおりとなっている。

道路土工/河川・海岸土工

種別 施工
試験区分 必須
試験項目 締固め回数
試験方法 TS・GPSを用いた盛土締固め情報化施工管理要領()」による
規格値 施工範囲を小分割した管理ブロックの全てが規定回数だけ締め固められたことを確認する。
ただし、路肩から1m以内と、締固め機械が近寄れない構造物周辺は除く。
試験基準
  1. 盛土を管理する単位(以下「管理単位」)に分割して管理単位毎に管理を行う。
  2. 管理単位は築堤、路体路庄とも一日の一層当たりの施工面積を基準とする。管理単位の面積は1,500m²を基準とする。
    また、一日の施工面積が 2,000m²以上の場合、その施工面積を2管理単位以上に分割するものとする。
  3. 一日の施工が複数層に及ぶ場合でも1管理単位を複数層にまたがらせることはしないものとする。
  4. 土取り場の状況や土質状況が変わる場合には、新規の管理単位として取り扱うものとする。

<注>

  1. 「管理ブロック」とは盛土締固め回数管理を行う際に使用する転圧回数管理用の小分割されたブロックでありブルドーザで25cm、締固め機械で50cmメッシュに区切ったものを言う。
  2. 「管理単位」とは盛土締固め作業を行う一日当たりの施工域を言う。

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