高度道路交通システムの現状
現在、国土交通省ではITS(高度道路交通システム)を進めております。ITSとは、最先端の情報通信技術を用いて、人と道路と車輌とを情報でネットワークすることにより、交通事故、渋滞等といった道路交通問題の解決を目的に構築する新しい交通システムです。
ITSの開発・展開計画では、開発分野ごとに目標が定められ最終段階の2010年頃以降では、ITSが熟成し道路交通ならびに交通全体に係わる基本的なシステムとして広く国民に受け入れられ、その結果、交通事故による死亡者数は大幅に減少することが期待されます。
情報ネットで快適走行
システムの紹介
ナビゲーションの高度化
従来のカーナビシステムに交通情報を加えるためのVICS(道路交通情報通信システム:カーナビなどの車載機へ、リアルタイムに渋滞や交通情報を提供)により、目的地まで効率良く到着することが可能になり、渋滞の緩和や解消が期待されています。
ETC(自動料金収受システム)2001年3月からサービス開始
車載機に契約情報などを記録したICカードを挿入し、料金所に設置した路側アンテナと車載機との無線通信により、通行料金などの情報が道路側のコンピュータとICカードに記録され、料金所で支払いのために止まることなく通行することが出来ます。
AHS(走行支援道路システム)
道路側のカメラ等の情報収集設備や経路誘導設備と、車輌側のカメラやセンサなどによる情報収集と、道路-車輌間通信や、車輌-車輌間通信による情報のやりとりにより、進行道路の交通情報や路面状態、自車輌及び周辺車輌の位置や挙動をリアルタイムに把握し安全な運転を支援するシステムです。
これは運転手が常に行っている認知・判断・操作の繰り返しを、情報提供機能(AHS-i)・制御支援機能(AHS-c)・自動走行機能(AHS-a)という3つの機能で運転を支援します。
これらのシステムには無線(電磁波)通信が用いられていますが、道路が舗装されていることにより電波の反射が起こり、システムに誤作動が起こる問題なども発生しております。
このような現象の解決策として、電磁波の吸収性(反射防止)の良い舗装も開発されています。ITSが身近になる頃には、アスファルトフィニッシャとローラが会話し、ローラが道幅と転圧回数・締固め具合等を判断して舗装機械が自動的に舗装するかもしれません。
将来は舗装工事も自動化!?
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高度道路交通システムの概念図