道路構造令の改定に伴う性能規定について
従来の工事発注方式(仕様規定)は、標準的な仕様を発注者が定め、受注者はこれに従い施工を行っていました。この方式は、広く標準的な性能を確保する上では有効ですが、一方で、新技術の開発や普及の促進に繋がりにくいという面もありました。
そこで、新たに性能規定方式が検討された結果、発注者は必要とされる性能のみを規定し、材料、施工方法等の仕様については受注者の提案を受け入れることが出来るようになりました。
この方式の普及に伴い、従前よりも受注者の技術力、工夫を活かしやすくなることから、新技術の開発による品質・性能の向上や工期の短縮に寄与すると思われます。
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表-1 関東地建の性能規定
(出所)経済企画庁「国民所得統計」等より当社作成。
<注>
- 騒音測定車による測定方法は環境基準で用いられている測定方法と異なるため、環境騒音との直接比較はできない。
- 通常の舗装の騒音測定車による測定値は平均約90dB(A)(LAep)程度。
施工者の技術力評価
舗装工事における初めての性能規定発注は、旧建設省関東地方建設局の発注で、平成10年度に国道1号(東京都品川区)、国道357号(千葉県八潮市)の2ヶ所の舗装修繕工事で試行されました。
性能規定の内容については、完成時の耐塑性変形・排水性・平坦性に加え、排水性舗装の特徴の1つである道路交通騒音の低減性能を完成時と1年後の騒音値として規定されました。(表-1)
完成直後と1年後の性能評価の測定は、客観性を確保する観点から第三者の公的機関によって行われました。
なお、国道1号の舗装工事では施工を行った業者が、研究成果を基に骨材粒径を決定した・施工ジョイントを減らす工夫をした・合材出荷日ごとにサンプリングを行い各種確認を行った等の理由で、平成11年度優良工事として局長表彰を受けています。
性能規定発注で総合評価方式を試行
国土交通省関東地方整備局は、平成12年2月に国道16号(千葉県八千代市)の舗装修繕工事において、初めて性能規定発注で総合評価方式を試行しました。
この総合評価方式とは、落札者を「価格のみ」ではなく、「価格以外の要素」も考慮して総合評価で落札者を決定する方式です。
この工事で性能規定された項目は、平坦性と騒音値の2項目で、騒音値は完成時89dB、1年後に90dBと規定されました。
入札者は、89dB以下の提案には基礎点として85点を得ます。また提案が1dB下回るごとに7.5点が加算されます。
例えば88dBと提案すれば、得点が92.5点となります。この得点を入札金額で割った値を入札評価点とし、この評価点が高い会社が落札者となります。
この入札の場合は、価格以外の要素として騒音値によって総合評価され決定されました。しかし、1年後の騒音値が提案値より1dB以上増えた場合は、ペナルティーが課せられます。
これらの試行を基に国土交通省では、平成13年7月1日に施行された道路構造令の改定に伴い、道路舗装工事において、従来の仕様規定を改め、性能規定とすることとしました。
日本最古のアスファルト道路?グラバー園に高島炭を用いて?
長崎の人気観光地、グラバー園の中に「日本最古のアスファルト道路」がある。
グラバーと、その家族が住んだ旧グラバー住宅のすぐ下の坂道で、幅1.2m、長さ30mほど。
「日本最古」には、特に裏付け資料はないらしく、この肩書きさえなければ、とっくにお払い箱になっていそうな、ひび割れの目立つ小道である。
このアスファルト道路がいつ造られたのかについては諸説がある。諸説板には「トーマス・ブレイク。グラバーの息子、トミーグラバー(日本名・倉場富三郎)がつくったと思われるアスファルト道路で、日本最初のものです」と、長崎市の名で記されている。
アスファルトがコールタールを用いて造られたとすれば、グラバーが経営していた高島炭鉱がある。しかし、富三郎が生まれる明治3年(1870)には、炭鉱はもう人手に渡っていた。トーマスはその後も、鍛工との関係を持ち続けたが、富三郎と炭鉱とは結びつきにくい。
この舗装道路については、かつて長崎県舗装協会の池田久昭技術委員が調べて報告したことがある。
文久3年(1863)ごろ、グラバー邸建築と並行して散歩道として造られたようだ。路面は玉砂利を5cmくらい敷きならし、その上に3~4層(1層は約7mm)に分け、表面上は川砂を用いて施行しているようだ。石炭から発生するコールタールを用いて造られているように思う、ということであった。
また、これを雑誌に紹介した針具武器・元建設省長崎工事事務所は、もう少し遅い「明治元年から3年の間」ではないかとみている。
ヨーロッパでアスファルト舗装が始まるのは1835年パリ、翌年ロンドンで行われたころからで、そのロックアスファルト鉱床は、コレに先立つ1712年ごろスイスで発見された。
SAKAI STARTING PAC軽量・超小型エンジンスタータ
SSP-24P発売
このたび、現場メンテ作業軽減の一環として、軽量・超小型エンジンスタータSSP-24P(SSP-12B/R)を新発売いたしました。
従来の同クラスのバッテリーに比べ、1/4~1/5の重量で、2~3倍のクランキングパワーを発揮いたします。
これにより、現場修理時や、機械置き場の在庫車バッテリー上がりの時、等にスタータ作業がより楽になります。
そのほか、
- 充電容量が少なくなってきても、始動力を発揮します。
(従来のバッテリーだと、充電量70%位で、始動できなくなりますが、充電容量30%でも始動が可能です。) - 自己放電が少なく、放置寿命も長いので、いざという時に力を発揮します。
- 低温時の始動性も良好です。
- 充放電の寿命が長く、耐久性にも優れ、横倒しにしても問題ありません。