アメリカのローラ市場報告
主流は振動ローラ出荷比率スタティックの9倍
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表層舗装を行うSW850
テキサス州ダラス市 -
アーカンソー州でRCCPに使用された
SV510-1
世界のローラ市場は、需要規模から北米・中南米、ヨーロッパ、アジア、その他の地域に大別されます。
北米内でも米国とカナダとでは若干の違いが見られますが、今回は日本との比較をしながら米国の状況をご紹介します。
日本では、一般的には、スタティックローラが主流となっており、丁寧に施行し、品質を確保することに主眼が置かれています。
米国では、ローラといえば、土木用、舗装用ともに振動ローラが主流で、大・中規模の工事では、土木用にはSV510系が多く共用され、舗装用はSW800系のような大型両輪振動ローラが使われています。住宅地や事務所、店舗の駐車場建設等の小規模工事ではSW350-1クラスで路盤から表層まで済ませるというのが一般的です。
1999年の米国でのローラ出荷統計では、振動ローラとスタティック(タイヤ・鉄輪)の比率は9対1となっており、振動ローラのうち、タン輪型(SV)両輪型(SW)の割合はほぼ半々です。米国では、現場に合った最も理想的なローラより、手持ち機材の有効利用とスピーディーな施工に重きを置いて使用機材が選択されることが多いと見受けられます。
ローラの歴史鉄輪ローラ
時代に合わせて進化 本格マカダム昭和37年登場
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マカダムローラ R1
本格マカダムローラの登場
昭和37年、新コンセプトのKD型が登場します。KD48型に始まり、KD54・55・60・76・KD120と、今日に引き続がれています。
運転席を車体後方に配置、操向レバー・前後進レバーを左右2か所、車輛外側を 見ながらの運転を可能とし、3段変速により機動性を向上、前後進に乾式多板クラッチを採用し、発進のスムーズ化を図りました。
ホイールベースや鉄輪幅を拡大し、より効果的な転圧の可能性を追求し実現しました。
全油圧駆動マカダムローラ R1
マカダムローラは、アスファルト転圧において、案内輪または被駆動輪がもたらす悪影響が少なからず指摘されていました。この解消のため、理想的モデルとして総重量14tのR1型を市場に投入しました。前輪駆動。各輪とも同径。全油圧化。油圧追随式センターピンステアリングによる踏み残しのない。等、数々のアイデアを取り入れ、昭和43年に量産化しました。
R2モデル登場 全油圧マカダムローラ
R1型の人気と小型化の要望を受け、昭和49年には、R2型(9~11t)の販売を開始、昭和「62年のモデルチェンジまで2600台を販売しました。その後、数回の型式変更を行い、各時代に合わせ進化させましたが、基本は現在なお継続しており、国内においてマカダムローラの革命を起こした代表機種といえます。