お客様とともに90年 No.1

サカイの歩み1918年~2008年

1918年(大正7年)の創業から90年を迎えた酒井重工業は、道路建設機械のパイオニアとして、道路建設および維持補修事業の高度化に向けて、たゆまない新製品開発と基礎技術研究を続けてまいりました。
また、今後もユーザーの方々に信頼のおける製品とサービスを提供すること、道路建設機械のスペシャリストとして常に技術の深耕を図り、道路事業の発展に有益な技術を創造していくこと、そして道路建設機械で培った専門技術を周辺分野の事業に役立てていくことが我々の存在意義であり、責務と考えます。

今回は酒井重工業の90周年記念号として、本誌を含め3回(第75号、第76号)にわたり酒井重工業の歩みを紹介致します。

  • 林野庁北見営業局F型5tボギー ディーゼル機関車

    (写真1)林野庁北見営業局F型5tボギー ディーゼル機関車
    4軸駆動方式最小回転半径5m空気制動/暖房付き

酒井金之助と機関車

創業期-国産初のローラ開発へ

  • 創業当時の社名とロゴマークSKW

    創業当時の社名とロゴマークSKWはSakai Kinnosuke Worksの略といわれる

創業者の酒井金之助(1895~1942)が設立した酒井工業所(酒井重工業の前々身)は、自動車修理業に加え、舶来機関車の試運転および運転指導・修理が主な業務内容だったようです。
創業から7年後の1925年(大正14年)には、社名を酒井工作所と改め、機関車の部品製造を始めています。さらに、1927年(昭和2年)慢性的な不況の中、鉄道輸送の大量化と高速化の要望を受け、この年から機関車の製造を開始します。これまで輸入に頼ってきた小型内燃機関車の価格高や補修の困難さが国産化の必要性を生んだと言えるでしょう。

2.5t~30tのバリエーションで軽便鉄道や工場内軌道から(写真1)に見られる森林鉄道まで幅広い用途に応じた製品群です。現存する機関車は少なく、目にすることも珍しくなりましたが、当社技術研究所では当時の稼動風景とともに実物(写真2)を展示しています。

  • 酒井A型5t内燃機関車

    (写真2)酒井A型5t内燃機関車
    昭和26年木曾の王滝営林署管内で活躍

ローラのパイオニアへ

ローラの歴史は意外と浅く、18世紀ヨーロッパにおいて最初の人力牽引式ローラの記録が残っています。
原動機を動力源としたロードローラでは1862年(江戸時代末期)フランスにおけるスチームローラが最初となります。ジェームス・ワットの蒸気機関の発明から約100年後のことです。20世紀初頭には内燃機関を搭載したローラが開発され、近代ローラの基礎となっているようです。

  • サカヰS型スチームローラ

    (写真3)サカヰS型スチームローラ6~16t(昭和13年)

日本では、1919年~1921年(大正8年~11年)にかけて国道1号造成のため、4.5t~12tのスチームローラや、ガソリンローラが輸入されており、当社も輸入量の増加に伴い、輸入機の修理件数も増大しました。
機関車の国産化要望と同様の理由でローラの国産化要望が高まった1929年(昭和4年)、当社は内燃機関搭載のタンデムローラ(翌年マカダムローラ)を開発し国産初号機の栄誉を受けています。
なお、当時は、内燃機関搭載機と並行してスチームローラの開発も行っていたようです。(写真3)は開発当初のスチームローラ、(写真4)はタンデムローラです。

1929年タンデムローラ誕生

  • タンデムローラmA型

    (写真4)タンデムローラMA型と酒井金之助 昭和10年 陸軍省納入

(ちなみに、大正中期から末期にかけて、輸入ロードローラ(10t級)の販売価格は1万3千円~1万7千円だそうで、現在の貨幣価値に置き換えて約3千万円ですから、大変な貴重品であったことが推察されます。)

このように、酒井重工業にとって機関車とローラは、製造メーカーとしての基盤であり、その後の経済変動や戦争を乗り越え、昭和33年のトラック輸送への転換による機関車の衰退まで、長く営業品目の二大主柱として当社の発展を支えることになります。
その後、ローラが当社主製品の位地を保つこととなり、日本におけるローラ(締固め機械)の歴史を形づくる上で酒井重工業の果たす役割が重要になってきました。

次回は、戦後から現在にかけてローラの開発の歴史を振り返るとともに、締固め機械の将来展開について紹介していきます。

プロダクトサポート部研修センター

プロダクトサポート部は、総合的なユーザーサービスの拠点として、お客様に各種講習、教育の実施を通して、労働災害の低減、資格取得のお手伝いを行っています。
研修センターと各種技能訓練場は、敷地面積36,000m²のプロダクトサポート部エリア内にあります。

  • 研修センター

    研修センター

主な教習科目

※受講コースにより受講資格及び実務経験の証明が必要になります。

技能講習

  1. 玉掛け技能講習
  2. 小型移動式クレーン運転技能講習
  3. 車両系建設機械3t以上(整地・運搬・積み込み用)運転技能講習
  4. フォークリフト技能講習(建設荷役車両安全技術協会主催)

特別教育

  1. ローラ運転者特別教育
  2. 小型車両系(3t未満)
  3. 小型移動式クレーン(吊り上げ荷重1t未満)

その他実施教育

  1. ローラ運転業務従事者危険再認識教育
  2. 建設機械をテーマとした安全講話
  3. 実技を主体としたローラ特別教育講師養成教育
  4. 国際協力事業団(JICA)建設機械整備コース
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